002:  Charlie Parker in Nippon Mercury Co.Ltd,.


Mercury(J) J-29

 日本で最初に発売された、チャーリー・パーカーの SP盤は、おそらくタイヘイ・レコードがアメリカのマーキュリー・レコードの  スタンパーを輸入してプレスしたマーキュリー J - 29番“サマータイム”であろう。(米国オリジナル盤と違い、裏面はキイノート原盤ウイリー・スミスの“セプテンバー・イン・ザ・レイン”)

CHARLIE PARKER with STRINGS
'Mercury Studios', NYC, Wednesday, November 30, 1949.

Charkie Parker play alto saxophone on all tracks, accompanied by: Mitch Miller(oboe,poss.engh); Bronislaw Gimpel, Max Hollander, Milt Lomask(vln); Frank Brieff(vla); Frank Miller(cello); Myor Rosen(harp); Stan Freeman(p); Ray Brown(b); Buddy Rich(ds); Jimmy Carroll(arr,cond).

C 322-2  Summertime   2:46

Mercury U.S.A. Original SP : Mercury 11038 , Clef 11038
side A : Summertime / Side B : I Didn't Know What Time It Was


 これは多分1952年(昭和27年)の8月新譜 5枚のうちの1枚として発売されたものです。
下の写真はタイヘイレコードが発行した同年 8月の新譜月報です。(ざりがにさん提供)

Taihei geppou-1

Taihei geppou-1


四種類のレーベル

 この日本盤には3種類のレーベルがあります。(細かいことを言えば4種類になりますが。)

Mercury(J) J-29-01

item 1: 初版

Mercury(J) J-29-promo

item 1a: 初版のプロモーション・コピー

Mercury(J) J-29-02

item 2: 多分第二版  in JAPAN が消える

Mercury(J) J-29-03

item 3: 多分第三版

Mercury(J) J-29-04

item 4: 多分第四版

 不思議に思いながら調べていくと色々解ってきました。なにしろ“J-29”となっており間違いなく日本盤であるということだが、他の3枚はレーベル面の文字列からJAPANの文字が消えていましたし、レーベルのカラーも違っていましたので、本当に日本盤であるのか半信半疑でした。

 そこで、日本盤のマーキュリー・レーベルを色々探し出して調べてみました。オークションでもこのレーベルのSPが出現する頻度は少ないので苦労しました。また関西在住の“ザリガニ”さん(のサイト「愛しのタイヘイ・マーキュリー」)から、貴重な資料を提供していただきました。

 1951年(昭和26年)11月、西宮市にあったタイヘイ・レコードがアメリカのマーキュリー社と契約し、“Jシリーズ”第一回新譜としてパティ・ペイジの“サイレント・ナイト”、“ジングル・ベル”などを発売します。手元には詳細資料が無く、この年の何月から発売したか不確実であるが、ペイジのクリスマス・ソングから察すると12月と想定できる。第四回の新譜発売が翌27年の8月となっており、この年の7月新譜まで28枚のSPを発売していることになるが、8月以降に若い番号の盤が発売されていることもあり、28枚は正確な枚数ではないようだ。

 これらはすべてアメリカ本国からスタンパーを輸入し、タイヘイ・レコードがプレスし、発売している。レコード番号は“J-1”からスタート。しばらくの間はレーベル面には日本語の表示はないが9月の第5回新譜から曲名にカタカナの表示が入る。

 レーベル円周の文字は

“MERCURY RECORD LTD. PRESSED IN JAPAN FROM MASTERS RECORDED IN U.S.A.”

 となっているが、J-100番以降(多分)は上記表示は、IN JAPAN の部分が外されている。

 レコード番号が一桁台のものには

“MERCURY RECORD CORPORETION, CHICAGO. ILL, PRESSED IN JAPAN”

 という表示がされているものもある。

Mercury(J) J-7

 従って、item 1 の黒・銀ラベルで in japan の入ったものがファースト・プレス。item 2 の黒・銀ラベル in japan 無しが、セカンド・プレス。item 3 のベージュ・ラベルは、"J-131" と同じカラーで、これは多分3回目のプレス。item 4 の銀・ラベルは"J-270" と同じもので、多分4回目のプレスと推定する。一回のプレスで何枚作るかは不明ですが、おそらく4回以上の再プレスが想定され、結構な枚数が販売されたようです。

J-131  J-270

 レコード袋は米国で使用されていたものと同じデザインのものを使用しているが、下部に“TAIHEI RECORD CO., LTD. NISHINOMOYA JAPAN”と入っているが、社名変更後にはこれは外される。

レコード袋  レコード袋

 J-29番初版の黒白レーベルのSPに同封された解説書(幅124mm×高さ170mm 2つ折り4頁)。裏頁の既発売好評曲リストには、J-1からJ-38とJP-1001〜1003のJ.A.T.Pが紹介されている。

 表紙右下に同色のブルーで、TAIHEI RECORD CO., LTD. と小さく印刷されている。

解説書  解説書


マトリックスナンバーとテイクの刻印

 カップリング曲に違いはあるが、アメリカのマーキュリー盤にあるマトリックスの刻印は活字によるもので、“CLEF 322-2”である(これは後に発売されるクレフ盤も同じである)。これに対し日本発売のものはすべて手書きの“C-322-8" である。

matrix-us  matrix j-29

 一般的には最後の数字はテイク・ナンバーであり、米国盤は2テイク目で、日本盤はテイク8となりますが、聴き比べてみても同じように聞こえます。フィル・シャープ氏が現存するすべてのテイクを集めて監修されたヴァーヴ・コンプリート・セットでも、このサマータイムはテイク2のみである。アメリカから送られたスタンパーであるが、これは不思議なことであり解明されません。



タイヘイ・レコードの歴史

 1924年(大正13年)8月10日:兵庫県西宮市今津に設立された「合資会社 内外蓄音器商会」がタイヘイ・レコード(ニッポン・マーキュリー)の前身。

 1925年(大正14年)3月1日:第一回の新譜を発売。

 1930年(昭和5年)11月5日:「株式会社 太平蓄音器」と社名変更し、 「貝星印」タイヘイレコードとして再スタートする。

 1935年(昭和10年)11月1日:関西で最強の老舗だった日東蓄音器と合併、「大日本蓄音器」となるが、レーベルはそのままタイヘイ・レコードとした。

 1942年(昭和17年)2月1日:キングレコードの親会社だった講談社に買収合併され、西宮の工場はキングレコードの工場となる。

 1950年(昭和25年)1月:そのキングレコードも戦後の統合で不二音盤となり、かつての太平蓄音器の同士たちにより西宮工場は、キングレコードから分離され、同年6月、社名を片仮名の「タイヘイ音響」に改められタイヘイ・レコードが二度目の再スタートとなる。

 1951年(昭和26年)11月:国内の競合他社がアメリカのメジャー・レーベルと契約しジャズをはじめとするポピュラー音楽のリリースを始めるが、前述の通りタイヘイ・レコードも米国マーキュリー社と契約し、スタンパーの供給を受け“Jシリーズ”として販売を開始する。

 1953年(昭和28年)6月1日:社名を「日本(ニッポン)マーキュリー株式会社」と改め、洋楽盤を発売する一方、東海林太郎、瀬川 伸、岡晴夫などのベテランや、藤島桓夫、松山恵子などの新人歌手の活躍によって隆盛を極める。

 1955年(昭和30年)〜1958年(昭和33年):ビクターや東芝レコードから新人歌手やベテラン歌手、そして作詞家・作曲家まで集団で引き抜かれ、会社経営が傾きはじめる。

 1960年(昭和35年):休業状態となり、委託盤の製作などをする。

 1990年(昭和55年)8月:土地売却のため、残っていた工場なども明け渡し、その長い歴史に終止符がうたれます。

 


J シリーズの概要

 これら“J盤”として発売されたのは当時のアメリカのヒット・チャート上位にランクされたパティ・ペイジやジョージア・ギブスのレコードなどが多く、きれいなピクチャー・レーベルで発売されている。

 また米マーキュリーが嘗て買収した、キイノート・レコードを原盤とするコールマン・ホーキンズやレッド・ロドニー、ビル・ハリス/チュビー・ジャクソン、レッド・ノーヴォ等も含まれ、マーキュリーのSPでは8200番台のものから、ポール・クイニシェ、ベン・ウエブスター、ジェームス・ムーディ等があります。

 ノーマン・グランツがプロデュースするものは、わずかパーカーの“サマータイム”とオスカー・ピーターソン、J・A・T・Pのセッション(JPシリーズ?)などであった。

 1955年(昭和30年)正月新譜目録を見ると“J-200〜J-206”まで7枚の新譜が発売されています

 1958年(昭和33年)頃までは新譜を発売していたようですから、恐らく300番前後は出てるかもしれません。しかし、詳細については不明です。


J.A.T.P. シリーズ

 J.A.T.P.の78's アルバム・セットはアメリカ・オリジナル同様 Vol.2 からVol.14 まで発売された形跡はあるが、手元の資料に詳細は見られません。

    JP-1001〜1003 は"Perdido" part 1〜6 で3枚組アルバム・セットVol.8
    JP-1004〜1006 は"How High The Moon""Bell Boy Blues"で3枚組アルバム・セットHHTM
    JP-1007〜1009 は"The Man I Love" part1〜6 で3枚組アルバム・セット Vol.11
 以上が1953年(昭和28年)4月新譜目録に掲載されています。

新譜案内 JP-1007

    JP-1039〜1041 は"I Gut Rhythm"/"I Surrender Dear" で3枚組アルバム・セット Vol.14
(レーベルは、Mercury ではなく Granz' Records)

以上が、既発売リスト上に見られます。

最近(08年6月)、日本マーキュリー社が販売したと思われるJATPの3枚組ブランク・アルバムを入手しました。アメリカ・オリジナル盤と違い、番号無しで14組に共通のアルバムのようです。

 背表紙の色がブルーとグレイの2色があったようです。写真で紹介します。

背表紙

表紙 裏表紙

表紙 裏表紙

 このカバー裏には、 "HHTM" から"Vol.14" までの全てが紹介されていますが、全て発売されたかどうかは不明です。

背表紙

 この厚紙製の3枚入りアルバムが作られた経緯も、またどのように販売されたかも不明です。もしご存じの方がいらっしゃいましたらご教示願いたい。

 1953年にリリースされたアルバムは、このアルバムではなく薄い紙で作られた3枚入りのものだったように記憶しておりますが、残念ながら現物がありません。

ところが、今年(08年)7月、レコード・コレクターの西川 進氏からJ.A.T.P.アルバム“Perdido" を見つけていただきました。残念ながらパーカーは参加しておりませんが、写真で紹介します。

表紙 1枚目の袋

1枚目のレコード袋(表紙)

中袋 2枚目の袋

2枚目のレコード袋(中袋)

3枚目の袋 裏表紙

3枚目のレコード袋(裏表紙)

全体

アルバム全体写真

JP1001


マーキュリーレコード ドーナツ盤(45回転 EP盤)

 1954年(昭和29年)11月新譜案内にドーナツ盤第1回新譜としてDD-1(パティ・ペイジのテネシー・ワルツ)からDD-6(パティ・ペイジのクリスマス・プレゼント)が掲載されており、55年(昭和30年)1月新譜案内では DD-12からDD-15まで発売されています。その後何枚リリースされたかは不明だが、私の手元にはDD-38 "Festival of Alto Sax" があります。当時の価格は700円でした。

DD-38

EP dd38  EP dd38

MERCURY   DD-38  FESTIVAL OF ALTO SAX

Side A-1;C 756-5  Night And Day
CHARLIE PARKER and his ORCHESTRA
Jimmy Maxwell, Carl Poole, Al Porcino, Bernie Privin(tp); Bill Harris, Lou McGarity, Bart Varsalona(tb); Charlie Parker(as); Harry Terrill, Muray Williams(as); Flip Phillips, Hank Ross(ts); Danny Bank(bs); Oscar Peterson(p); Freddie Green(g); Ray Brown(b); Don Lamond(ds); Joe Lipman(arr,conductor).
NYC, Tuesday, March 25, 1952.

Side A-2;C 414-11  Leap Frog
CHARLIE PARKER and his ORCHESTRA
Dizzy Gillespie(tp); Charlie Parker(as); Thelonious Monk(p); Curly Russell(b); Buddy Rich(ds).
probably 'Mercury Studio', NYC, Tuesday, June 6, 1950.

Side B-1;C 983-3  Street Scene
Side B-2;C 871-7  Isn't It Romantic
BENNY CARTER & HIS ORCHESTRA


クレフとグランツ・レコード

 J.A.T.P. inc のノーマン・グランツは、1953年マーキュリーから離れ、クレフ・レコードを設立する。日本マーキュリー(タイヘイ・レコード)は、このクレフとも契約するが日本国内では“グランツ・レコード”として発売する。

 このグランツ・レコードという名前は日本のみで使用されたもので、後にクレフ・レコードとして継続する。

 この1953年(昭和28年)11月にはグランツが率いるJATPオールスターズ一行が来日する。

 

 グランツ・レコードは、SP は"JPシリーズ"でスタートするが、JP-1010 の Illinois Jacquet Orchestra が最初のリリースである。マーキュリー・レーベルでJ.A.T.P.のセッションをJP-1001 〜1009 まで使用したためであろう。

 このグランツ・レコードでリリースされたパーカーは次の4枚です。

JP-1015Granz' records JP-1015

Side A; C410-4 Bloomdido
Side B; C413-2 My Melancholy Baby
Charlie Parker and his Orchestra
Dizzy Gillespie(tp); Charlie Parker(as); Thelonious Monk(p); Curly Russell(b); Buddy Rich(ds).
NYC. June 6,1950

JP-1015Granz' records JP-1015
宣伝用非売品(28.8.25付 西宮税務署・見本免税品スタンプあり)

JP-1027Granz' records JP-1027

Side A; C756-5 Night and Day
Side B; C758-1 I Can't Get Started
Charlie Parker and his Orchestra
Jimmy Maxwell, Carl Poole, Al Porcino, Bernie Privin (tp); Bill Harris, Lou McGarity, Bart Varsalona(tb); Charlie Parker(as); Harry Terrill, Muray Williams(as); Flip Phillips, Hank Ross(ts); Danny Bank(bs); Oscar Peterson(p); Freddie Green(g); Ray Brown(b); Don Lamond(ds); Joe Lipman(arr,conductor).
NYC, March 25, 1952

JP-1033Granz' records JP-1033

Side A; C414-11 Leap Frog
Side B; C415-6  Relaxing With Lee
Charlie Parker and his Orchestra
Dizzy Gillespie(tp); Charlie Parker(as); Thelonious Monk(p); Curly Russell(b); Buddy Rich(ds).
NYC. June 6,1950

JP-1038Granz' records JP-1038

Side A; C612-2 Back Home Blues
Side B; C613-2 Lover Man
Charlie Parker Quintet
Red Rodney(tp); Charlie Parker(as); John Lewis(p); Ray Brown(b); Kenny Clarke(ds).
NYC, August 8, 1951

 グランツ・レコードに添付されている解説書。

linernote  linernote

 10インチLP は"JPLシリーズ"で11枚リリースされているほか、J.A.T.P.盤は米オリジナル同様、Vol. 2〜14 がリリースされた。こららは、すべて1954年(昭和29年)11月新譜案内に、リストアップされている。

 また、12インチ LPは"MGシリーズ"でMG1 からMG11 までリリースされたようだ。"ジャム・セッション #1、#2" の他、パーカー参加曲を収録したものは他にMG-3の"J.A.T.P."盤(米国オリジナルはClef MG C-608)と、  MG-11の"Charlie Parker Big Band"(米国オリジナルはClef MG C-609)があるが、2015年2月に入手しました。なお"MG-1" の発売は1953年(昭和28年)10月中旬で、当時の定価は2,700円、10インチLPは、2,100円となっている。

MG Vol.6 MG Vol.6

NORMAN GRANZ' JAZZ AT THE PHILHARMONIC
MG VOL. 6  10 inch LP
side A: JATP BLUES
side B: SLOW DRAG

MG-1 MG-2

JAM SESSION #1 (MG-1)  &  JAM SESSION #2 (MG-2)  12 inch LP

MG-1 MG-2

MG-1 MG-2


クレフ・レーベルへ移行

 1954年(昭和29年)11月新譜案内に掲載されている10インチ78回転盤の "CLEF JAZZ" のリストは JP1001〜3 からスタート、最後は JP-1067 のパーカーとなっている。JP-1010 からスタートしたグランツ・レコードが、何番からクレフ・レコードに移行したかは不明である。

JP-1044Clef records JP-1044

Side A; C411-4  An Oscar For Treadwell
Side B; C412-4  Mohawk
Side A,B: Charlie Parker & His Orchestra
Dizzy Gillespie(tp);Charlie Parker(as); Thelonious Monk(p);Curley Russell(b);Buddy Rich(ds).
NYC. June 6,1950

JP-1055Clef records JP-1055

Side A; C681-6 Estrellita
Side B; C682-3 Begin The Beguine
Side A,B: Charlie Parker Quintet (Charlie Parker Plays South Of The Border)
Benny Harris(tp-side A);Charlie Parker(as); Walter Bishop Jr.,(p);Teddy Kotick(b);Max Roach(ds); Jose Mangual(bgo);Luis Miranda(cga).
NYC. January 23,1952

JP-1065 wantsClef records JP-1065

Side A; C542-9 Tico Tico
Side B; C683-1 La Paloma
Side A: Charlie Parker's Jazzers (Charlie Parker Plays South Of The Border)
Charlie Parker(as);Walter Bishop Jr.,(p);Teddy Kotick(b); Roy Haynes(ds);Jose Mangual(bgo);Luis Miranda(cga).
NYC.March 12,1951
Side B: Charlie Parker Quintet (Charlie Parker Plays South Of The Border)
Benny Harris(tp);Charlie Parker(as); Walter Bishop Jr.,(p);Teddy Kotick(b);Max Roach(ds); Jose Mangual(bgo);Luis Miranda(cga).
NYC. January 23,1952

JP-1067Clef records JP-1067 (1954年発売)

Side A; C541-2 Un Poquito De Tu Amor
Side B; C679-4 Mama Inez
Side A: Charlie Parker's Jazzers (Charlie Parker Plays South Of The Border)
Charlie Parker(as);Walter Bishop Jr.,(p);Teddy Kotick(b); Roy Haynes(ds);Jose Mangual(bgo);Luis Miranda(cga).
NYC.March 12,1951
Side B: Charlie Parker Quintet (Charlie Parker Plays South Of The Border)
Benny Harris(tp);Charlie Parker(as); Walter Bishop Jr.,(p);Teddy Kotick(b);Max Roach(ds); Jose Mangual(bgo);Luis Miranda(cga).
NYC. January 23,1952

 この他に多分クレフ・レーベルかと思われますが "JPS-15" が存在すると言われていますが、手元の資料には見つかりません。

2017年5月、このClef JPS-15をようやく入手することができました。

JPS-15Clef records JPS-15 (1955年発売)

Side A; C490-5 She Rote
Side B; C491-1 K.C.Blues
Side A/B: CHARLIE PARKER and his ORCHESTRA
Miles Davis (tp); Charlie Parker (as); Walter Bishop Jr. (p); Teddy Kotick (b); Max Roach (ds).
NYC. January 17, 1951.
 

 クレフ・レコードに添付されている解説書。CLEF JP-1055

linernote  linernote

 クレフ・レコードに添付されている解説書。CLEF JPS-15

linernote  linernote

クレフ ドーナツ盤(7インチ45回転シングル)

 1954年(昭和29年)11月の新譜紹介案内には、45回転シングル盤が "DA-1" から "DA-23" までリストアップされている。(定価450円)

DA-1a  DA-1b

DA-1

Side A;C 756-5  Night And Day
Side B;C 758-1  I Can't Get Started
CHARLIE PARKER and his ORCHESTRA
Jimmy Maxwell, Carl Poole, Al Porcino, Bernie Privin(tp); Bill Harris, Lou McGarity, Bart Varsalona(tb); Charlie Parker(as); Harry Terrill, Muray Williams(as); Flip Phillips, Hank Ross(ts); Danny Bank(bs); Oscar Peterson(p); Freddie Green(g); Ray Brown(b); Don Lamond(ds); Joe Lipman(arr,conductor).
Recording studio at First Avenue & East 44th Street, NYC, Tuesday, March 25, 1952.

DA-15a  DA-15b

DA-15

Side A;C 414-11  Leap Frog
Side B;C 415-6   Relaxin' With Lee
CHARLIE PARKER and his ORCHESTRA (Bird and Diz)
Dizzy Gillespie(tp); Charlie Parker(as); Thelonious Monk(p); Curly Russell(b); Buddy Rich(ds).
probably 'Mercury Studio', NYC, Tuesday, June 6, 1950.

DA-23a  DA-23b

DA-23

Side A;C 411-4  An Oscar For Treadwell
Side B;C 412-6   Mohawk
CHARLIE PARKER and his ORCHESTRA (Bird and Diz)
Dizzy Gillespie(tp); Charlie Parker(as); Thelonious Monk(p); Curly Russell(b); Buddy Rich(ds).
probably 'Mercury Studio', NYC, Tuesday, June 6, 1950.

 これらのシングル盤はアート紙で二つ折りのホルダーに入って販売されております。表面右下部に小さなシールが貼られレコード番号が記されている。(裏面は無地)

holder

 DA-1に付属された解説書。

linernote  linernote

クレフ LP(12インチ LP)

Clef MG11 Clef MG11

clef mg11

 以上がニッポン・マーキュリー社が残してくれたパーカーのおよその音源です。これらの他に存在しましたら、是非ともご教示願えれば幸いです。

 この頁の制作にあたって参考にした資料です。

 ○『別冊MUCIC MAGAZINE レコード・コレクターズ AUG.,1982/Vol.1,No.3』 p26〜 「ノーマン・グランツの仕事」 岡 郷三 + 中村とうよう著

 ○『関西発レコード120年(埋もれた音と歴史)―第7部:レコード各社興亡秘話』(神戸新聞)

 ○『愛しのタイヘイ・マーキュリー』(ザリガニの  何処を開けても  骨董だらけ から。)

    なお、この“ザリガニ”さんからは、貴重なお手持ちの資料(新譜案内)からコピーを頂戴しました。有り難うございます。厚くお礼申し上げます。

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