未発表テイク VOL.1/4 5/18-2
最初のバードのソロ録音、
イリノイ州 ワウケギャン 1947、
レニー・トリスターノ・ハウス 1951、etc.
収録曲
- HONEYSUCKLE ROSE
into BODY AND SOUL(3:11) - Charlie Parker unaccompanied
Alto Sax Solo,
Kansas City, early 1937 or 1940. - BIG FOOT(4:07)
- 52nd STREET THEME(4:57)
- Carlie Parker Quintet,
Charlie Parker(as),Miles Davis(tp),
Duke Jordan(p),Tommy Potter(b),
Max Roach(ds).
Three Deuces,N.Y.C, March 31,1948.
- HOW HIGH THE MOON (3:47)
- Personnel same as above,
Onyx,N.Y.C.,July,1948.
- JUST FRIENDS(1)(2) into
STRINGS THEME (7:04) - Charlie Parker with Strings,
Charlie Parker(as),Walter Bishop(p),
Walter Yost(b),Roy Heynes(ds)
Candido(conga & bongos),
unknown oboe and string section,
including Teddy Blume(v).
string theme by strings only.Broadcast,
Carnegie Hall,N.Y.C.,November 14,1952.
- ALL OF ME(3:37)
- I CAN'T BELIEVE THAT YOU'RE IN LOVE WITH ME (4:23)
- Charlie Parker(as),Lennie Tristano(p),
Kenny Clarke(brush on paper)
New York,Lennie Tristano's House,
August 1951.
- DEXTERITY (3:29)
- THE WAY YOU LOOK TONIGHT(3:07)
- BARBADOS (2:59)
- ALL THE THINGS YOU ARE (1:59)
- EMBRACEABLE YOU (2:04)
- ORNITHOLOGY (1:18)
- 52nd STREET THEME (1:58)
- Charlie Parker(as),rest unknown,
Waukegan,Illinois,late 1947.
- EMBRACEABLE YOU (2:48)
- 0RNITHOLOGY (3:46)
- STEEPLECHACE (5:00)
- NOW'S THE TIME (3:53)
- MEDLEY;
BE MY LOVE,
APRIL IN PARIS,
DANCE OF INFIDELS (7:23) - THIS TIME THE DREAMS ON ME (4:33)
- Charlie Parker(as),
rest unknown,Brooklyn,June 1951.
- 訳注:以上はライナーノートのないCD初版の録音データで、1995年3月のロバート・ブレグマンの新ライナーノートでは訂正が有り;
DEXTERITY(track8)
WAY YOU LOOK TONIGHT(9)
ALL THE THINGS YOUARE(11)
はシカゴ・アーガイル・ラウンジ、1947年、
BARBADOS(10)
EMBRACEABLE YOU(12)
ORNITHOLOGY(13)
52nd STREET THEME(14)
はイリノイ州ワウケギャン、1947年11月又は1948年秋、となる。
この最初のフィロロジー・バーズ・アイCD版は限定6巻のLP第1巻と第4巻から成っている。このCDの最重要な音楽的贈り物は現存するパーカーの最初の演奏の証拠品すなわち“ハニーサックルローズ”と“ボディ・アンド・ソウル”の無伴奏アセテート録音が入っていることである。
録音は、アマチュア録音家でパーカーが居たことがあるトミー・ダグラス・バンドのメンバーの一員クラレンス・デイヴィスにより行なわれた。アセテート盤は、パーカーのカンザスシティの幼友達カール・ジェンキンスの所有物として発見された。録音者のデイヴィス自身は、それがそうだったかを質問された時、日付けについて確かでなかったので、他の人々は1938年か39年と推測した。
(訳注:バードはトミー・ダグラスに1936年はじめから春頃まで在団。ダグラスはボストン音楽院出のクラリネット・アルト奏者で、バードに正規な楽理とサキソフォンの吹き方を教えた。この頃、バードはジミー・ドーシーとフランスのクラシック奏者マルセル・ミュールの技巧に傾倒した)
私のチャーリー・パーカー・ディスコグラフィー第2版では、次の理由で日付けを1940年5月から8月の間とした。即ち、バードの演奏のきっかり8音は、1938年コモドア・レコードのロイ・エルドリッジの“ボデイ・アンド・ソウル”から引用しているし、また1938年10月録音のベニー・グッドマンの“アイ・ソウト・アバウト・ユー”からの引用も有るからである。
パーカーはカンザスシティでアセテート盤を作っているし、彼は1938年から1940年春までカンザスシティを去っているので、この日付けは正確だと思えるのである。
この冒険的ソロは、倍テンポの使用、ビートのドライヴにおけるヴァリエーション、トーンとシンコペーションにおいて、パーカーの発展性の将来をかいまみさせるのである。パーカーは1941〜42年に彼の進歩をモニターできるもう一つのアセテート盤を録音した。これも又カンザスシティで行なわれたのだが、今度はエファージ・ウエアのギターとリトル“フィル”フィリップスのドラムが伴奏している。このレコーディングは友人のチャールズ・ホワイトに残され、6曲有ると噂される内の4曲が現存する。
これはスタッシュCD535でリリースされている。(訳注:エファージ・ウエアはバードにコード分解と進行を教えた人物で、フィリップスは若い頃のバードのヤク仲間)
このCDのもう一つの重要音源はレニー・トリスターノとバードの“オール・オブ・ミー”と“アイ・キャーント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウイズ・ミー”におけるデユエットである。ケニー・クラークがいて、ブラッシュで電話帳を叩いていると言われている。この準備無しのセッションは、バードの偶然の出現によってニューヨークのトリスターノ・スタジオにいるレニーの弟子達を驚かしたのだった。
この二人が一緒にプレイしている、現存する曲はバンド・フォー・ボンド放送(フィロロジーVOL.11)とメトロノーム・オールスターズでの“オーヴァー・タイム”と“ヴィクトリー・ボール”(RCAビクター・ブルーバード・レーベルのCD未発売テイク2はフィロロジーVOL.14にある)である。このバード/レニーの発見は音楽全般で今まで判らなかったことを明らかにすることで、トリスターノの“カルト/祭儀”を特に日にさらすことでもある。
トリスターノの音楽が保持するカルトの執念は、この発見により捉えられ得るのである!。勿論、トリスターノの貢献はファン・クラブの有無に関らず歴史的に保証されている。この発見された2曲でバードは、ハーモニー構成に近づき、逸脱せず、通常我々が聴いているバードよりコードを拡張している。その明白な理由はトリスターノの力強い和声構造とタイム構築によるのである。
Photo 01
Lennie Tristano c.1950's
Orinn Keepnews
"A PICTORIAL HISTORY OF JAZZ"
CDはブルックリンのイースターン・パークウエイ・ボールルームからの何曲かで終わる。そのセッションの残りはVOL.7と16にある。
ここにある全部が全部、進歩と、末広がりの興味と、ジャズの最も偉大なインプロヴァイザーの経験を、指し示す重要なCDなのである。
BIRD LIVES! BY:DR.ロバート・ブレグマン、
訳:小田 弘一