未発表テイク VOL.16     W846.2


ミュージック・レッスン 1954年

収録曲

  1. 52nd STREET THEME
  2. 52nd STREET THEME
  3. 52nd STREET THEME (3:18)
  4. DON'T BLAME ME (3:01)
  5. NIGHT IN TUNISIA (3:34)
  6. ALL THE THINGS YOU ARE (4:19)
Eastern Parkway Ballroom,Brooklyn, June 23,1951. Charlie Parker(as),unkown(tp),Al Haig(p),Teddy Kotick (b),Roy Haines(ds).
  1. ANTHOROPOLOGY (2:18)
  2. BARBADOS (3:26)
Wardorf Astoria Hotel,New York City, March 5,1951 (8p.m) Kenny Dorham(tp),Charlie Parker(as), Lucky Thompson(ts),Al Haug(p),Milt Jackson(vb-7), Tommy Potter(b),Max Roach(ds),unknown(m.c).
  1. SCALES AND MUSIC LECTURE (9:17)
New York City,1954. Charlie Parker playing scales and music lecture at the apartment of Dick Meldonian.
  1. 52nd STREET THEME (I) (3:58)
  2. 52nd STREET THEME (II) (2:50)
  3. I CAN'T GET STARTED (0:46)
Christy's Restaurant,Framingham, Massachusetts, April 21?,1951. Charlie Parker(as),other personnels unknown, possibly Benny Harris(tp),Al Haig(p),Teddy Kotik(b), Roy Haynes(ds).

13--19: Firenze,Italy.October 25,1952. Louis Armstrong(tp),Trummy Young(tb), Bob McCracken(cl), Marty Napoleon(p),Arvell Shaw(b), Cozy Cole(ds),Velma Middleton(vo).

VOL.16はライヴ・パーフォーマンスとバードの音楽内面を伝える伝説的家庭私家録音をお贈りします。
 1951年4月21日の演奏はボストン郊外クリスティーズ・レストランでのバードである。(クリスティーズでの4月12日のものはワーデル・グレイとディック・ツワージックの参加でよく知られる)
 謎の多いピアニスト、ツワージックとバードの共演の存在はもっと有ると噂されているので、どなたか情報をお持ちの方はお寄せ下さい。
4月21日のセッションは良い音質ではないのでパーソネルが確認し難い。ウォルター・ビショップ、テデイ・コティック、ロイ・ヘインズが当時のパーカーのレギュラーだったが、出まわっているチャン・コレクションのリストによればこのセッションにはもっと曲数が有るとのことである。
 ニューヨーク・ブルックリンのイースターン・パークウエイ・ボールルーム・セッションも似た状況で聴かれる。
 ここでクインテットには不明のトランペット奏者が居るが、ブルックリンはレッド・ロドニーのテリトリーなので、彼がいるのではないだろうか?。リズム・セクションはヘイグ、コティック、ヘインズでボストン・セッション同様にチャンは、この録音がもう一時間分有ると主張している。この具体的事実は、私に、この両セッションとクリスティーズ・セッションともにバードがチャンに買い与えたテープレコーダーで録音されたと信じさせるに充分である。
 1951年のフットノート/脚注;パーカーと会話を交わした或る紳士が言うには、バードのお気に入りの野球チームはニューヨーク・ジャイアンツだそうだ.ブルックリン・セッションから2ヶ月と少しのとき、歴史は有名なボビー・トンプソンのホームランがブルックリン・ドジャースとの試合に決着をつけ、やっつけたのを記録するのだ!そこでジャイアンツとの顔合わせがやっかいな仕事になったのだ!。
 これらのセッションはパーカー・グループのナイトワークを再提供する。大抵の夜は最高だったが、そうでないことも有った。
 パーカーが裁判中だと言う評判も広まり、彼の芸術的自意識創造は全然出てこないようになった。この時期の維持される最重要事は、バードにとって演奏はただの“ギグ”の一つだったと言うことなのである。
 次の2曲(7&8)はオールスター・グループものである。このグループはニューヨークのローヤル・ルーストでパーカーの監督下にあった。
 1945年5月5日、ニューヨークの有名なウォルドーフ・アストリア・ホテルでヘラルド・トリビューン・フレッシュエア財団のためにその夜早く出演したのであって、この後、グループはローヤル・ルーストに戻り、そこでの演奏はWMCA局のシンフォニー・シッド・ショーで放送されボリス・ローズによって録音された。
ここでは西インド諸島の民俗歌謡“バルバドス”と“アンソロポロジー”の2曲が聴ける。
次のセッションはより希少な発見である!
 それは1954年にニューヨーク市のミュージシャンのディック・メルドニアンのアパートでのバードのスケール・プレイと講習のホーム録音である。
 私はこのテープのコピーを世界一のジャズ探偵ノーマン・サックスから受け取った。彼は、スタッシュ・レーベルから出た1943年のボブ・レッドクロス・セッションでのバードのテナー演奏のヴェールを剥いでくれた人物である。
 ノーマンは語る:「徹底的調査の後、テープは本当に存在し、それは彼自身優秀なミュージシャンであるメルドニアン氏の所有だと判りました。彼はテープ・コピーの提供に関しとても親切でした。だけど、別れる時に、彼の奥さんが「何でよく知りもしない人にコピーをあげちゃうの」とはっきり言うのが聞こえたんです」
 でもテープが無防備で渡されたのは何と幸運だったであろう!。
 テープはやっと聞き取れるものなので、皆さんはバードの語りを聴くのに良く注意すべきである。
 これはパーカーがインフォーマルな状態で音楽を語る本当に驚くべき発見なのである。彼は「全てはハーモニー、メロデイ、リズムなんだ」と我々に語りかける。パーカーを正に馬鹿だと知覚している或る人物が「ハーモニー?誰とハモルの?」と尋ねるのだ!。  このテープにある最希少な瞬間を皆さんは充分に楽しめるのである。
BIRD LIVES!
BY:ロバート・ブレグマン

 バーズ・アイVOL.16の補填として、皆様はバードが高く尊敬するもう一人のジャズの天才ルイ・アームストロングの未発表コンサートを楽しめます。
 これは彼のイタリーにおける2回目の出演です。(1回目は1949年)フィレンツェ・コンサートはサッチモの今まで発表されていない最初のヨーロッパ・ライヴ演奏です。
   私は、これをオールタイム・グレーテスト・ジャズ・ソロイストとしての役割をバードと分けあう人物への貢ぎ物と意図しています。(バードのサッチモのウエストエンド・ブルースの有名なイントロの引用は、正にジャズ史の最も創造的瞬間の一つであると考えられます)
 パオロ・ピアンジァレッリ
訳:小田 弘一