未発表テイク VOL.17     W847.2


バンド・フォー・ボンド1947
ワシントン、ミュージック・ホール 1947
フィラデルフィア、ミュージック・アカデミー 1945
バードランド 1951

収録曲

  1. 1- KOKO (1:09)
  2. HOT HOUSE (5:10)
  3. I SURRENDER DEAR (3:03)
  4. FINE AND DANDY (3:22)
RADIO BROAD CAST, STATION WOR, MUTUAL STUDIOS, N.Y.C, September 13,1947. Barry Ulanov's All Star Modern Jazz Musicians: Dizzy Gillespie(tp),John La Porta(cl),Charlie Parker(as), Lennie Tristano(p),Ray Brown(b),Max Roach(ds), Rudy Blesh,Bluce Elliot,Barry Ulanov(mc).
  1. KOKO (1:06)
  2. ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET (3:20)
  3. HOW DEEP IS THE OCEAN (2:58)
  4. TIGER RAG into
         DIZZY ATMOSPHERE (3:48)
  5. 52nd STREET THEME (0:43)
same place,September 20,1947. sane personnel,except:Carl Caruso substitutes Bruce Ellot among m.c.
  1. . 52nd STREET THEME (2:15)
  2. DONNA LEE (2:42)
  3. EVERYTHING I HAVE IS YOURS (3:05)
  4. FAT'S FLATS (2:43)
  5. TEA FOR TWO (2:44)
  6. DON'T BLAME ME (3:11)
  7. GROOVIN' HIGH (3:10)
  8. KOKO into- ANTHOROPOROGY (6:17)
same place,November 8,1947. Barry Uranov and his All Star Metronome Jazzmen: Fats Navarro(tp),John La Porta(cl),Charlie Parker(as), Allen Eager(ts),Tommy Potter(b),Buddy Rich(ds), Sarah Vaughan(vo).Bruce Ellot,Barry Uranov(m.c)
  1. . SCRAPPLE FROM THE APPLE (1:33)
  2. BERNIE'S TUNE (1:42)
  3. C JAM BLUES (1:40)
  4. KOKO (3:40)
  5. THESE FOOLISH THINGS (2:33)
Washington D.C,Washingto Music Hall, "Dixieland vs. Bebop All-Stars" May 23, 1948. Charlie Parker (as); Charlie Walp (tpt); Earl Swope (tb); Ben Lary (ts); Sam Krupit (p); Mert Oliver (b); Joe Theimer (d); Art Phipps (b); Buddy Rich (d); Wild Bill Davison (cornet); Benny Morton (tb); Tony Parenti (cl); Jackson Lowe (ann); Willis Conover (ann)
  1. BLUE N' BOOGIE (3:00)
Philadelphia P.A.,Academy of Musid, June 5,1945. Dizzy Gillespie(tp),Charlie Parker(as),Al Haig(p), Curly Russell(b), Stan Levey(ds).
  1. EASY TO LOVE (1:35)
  2. ROCKER(2:33)
  3. JUMPIN' WITH SYMPHONY SID (2:40)
New York City,Birdland, March 22,1951. Charlie Parker(as),unknown oboe, strings,rhythm section; possibly Walter Bishop(p),Teddy Kotick(b), Roy Haynes(ds), Symphony Sid(m.c).

 アナウンサー:「ミューチアル・ネットワークは米国貯蓄債券と提携してバンド・フォー・ボンド・アワーを提供します。今晩の演奏はバリー・ウラノフのモダーン・ジャズ・オールスターズです。」こうして、オールスター・モダーングループ対評論家のルデイ・ブレッシュによって組織された、モルデイ・フイグ(訳注:カビたいちじく=古いジャズのインテリ支持層をいう)達が支持するニューオーリンズ・ジャズの実践者の間で2週間続きのバトルがスタートした。聴取者にはスタジオに投票するよう呼び掛けがあり、票決はモダーン側に勝ちがもたらされた。
 これはスタジオが1947年11月8日に3回目のショーを放送するのにつながったのである。
 情熱的な瞬間がここにはある。例えば2回目のショーで同じ曲すなわち“オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート”、“ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン”、“タイガーラグ”を両者が交互に演奏した。
“タイガー・ラグ”はバップ勢にとって驚くべきナンバーだった。バードは全ての曲で、どんな曲の操作にも支障無く、音楽的起源に無頓着に演奏し、傑出している。ミュージシャンは興味深くも混じり合っている。
 バードとディズとマックス・ローチは当然と言えるが、私はなんでジョン・ラポータ、ビリー・バウアー、レニー・トリスターノがいるのか、何時も疑問を感じるのである。ラポータはバデイ・デフランコはおろかトニー・スコットとスタン・ハッセルガードの水準にさえ決して達しなかったクラリネット奏者である。同じことはビリー・バウアーにも言える。彼等のグループへの参加は直接的にピアニストのレニー・トリスターノに帰せられる。つまりラポータとバウアーは彼と一緒に仕事をしていて、音楽的追従者だったからである。トリスターノの存在はたしかにこの“オールスター”の概念にとって興味深い。人は此処にバド・パウエルがいるべきだったと考えるだろう。数ヶ月前、バードとバドは1947年5月8日の有名なドナ・リー・セッションでサヴォイに録音した。バドの次の出演は1948年12月19日まで“でき”ないのはディスコグラフィーでも明らかである。個人的には、私にはバードとレニーのコンビネーションは彼等の協力の小さな音楽証言だから楽しんでいる。
 レニーはシカゴ出身の和声的に難解なピアニストで、ワーン・マーシュとリー・コーニッツに代表される門弟グループを率いていた。レニーは、彼の代理コードの使用、モンク式の不協和音、対位とリズム的複雑性で、“ホワイト・インテレクチュアル・ジャズ”として知られている。
   このレッテルは多くの人が音楽に対する“コールドなアプローチ”と感じていることによる。トリスターノは“音楽的描線”は補飾無しに、それ自身で立つべきであると信じている。
 この初期の前衛的アプローチは“フリー・ブロウイング”を許しながらハーモニー的基盤を分配したキャピトルのクロスカレント・アルバムに見出せる。
 ここで1947年のリスナーは耳寄りでジャズの将来の頂点を得るのである。パーカーはトリスターノのやり方とその状況を捉えうる数少ないミュージシャンの一人であっただろう。  バードはできたのである。

11月8日のセッションはヴィクトリー・ショーである。ファッツ・ナヴァロがディジーに、バデイ・リッチがローチに、トミー・ポッターがレイ・ブラウンに替わり、アレン・イーガーが加わった。かくして彼等はショーに勝利し、メンバー・チェンジを保持決定したのである?。
 それはバップ・チャンピオンの精髄ファッツ・ナヴァロが聴けるもてなしのことである!。ファッツは舞い上がり、そして“ファット”なサウンドはパーカーとパウエルの豊かに織りなされたハーモニーに凄く適合した。
 バード、バド、ファッツのコラボレーションをソニー・レコードの“ワン・ナイト・イン・バードランド”で聴きたまえ。このレコードは希少にして興味深いアイテムである。

 1947年頃のワシントンD.Cのミュージック・ホールでのコンサートは主として曲目の選定が希少なご馳走である。
(最新情報:このセッションは1948年5月23日、ワシントンD.C.のミュージック・ホールで開催された、デキシーランド・ジャズ VS ビ・バップ・オール・スターズのもので部分的な短いものです。[-Vol.18のNo.9 Ornithology含む-] 完全な演奏は、UPTOWN−UPCD 27.55で発売された。)

 1950年のアパートメント・セッション(フィロロジーW842.2 BIRD'S EYES VOL.12)で録られたものしか聴けなかったバーニーズ・チューンは、エリントンのCジャム・ブルースと同様に、貴重である。
“ココ”の長い豪華ヴァージョンがここには有り、1945年のオリジナル・サヴォイと同様にエキサイティングである。パーソネルと正確なデータは推測だが、我々はパーカー作品の素敵な添加が得られるのである!

次はフィラデルフィア・アカデミー・オブ・ミュージックでのコンサートからで、これはフィラデルフィアの中古レコード店で発見されたのである!このコンサートはコメット・レーベルのレッド・ノーヴォ・セッション(1945.6.6 N.Y.C)の前に催された。6月6日はDデイでもある!。
 この1945年の録音は音楽史の貴重な断片だ!。

最後は1951年3月22日のバードランドでのストリングスもので、未発表の“イージー・トゥ・ラヴ”と“ジャンピン・ウイズ・シンフォニーシッド”の完全版である。
(MEEXA DISCOX 1776より音がいい)
 BIRD LIVES !
 BY:ロバート・ブレグマン
訳:小田 弘一