Dial Story

1. ダイアルの創立 2. パーカーと正式契約 3. レーベル1本に専念 4. ニューヨーク移転後
5. ダイアル基本方針 6. そのカタログ整理 7. そのジャケットなど 8. ダイアルその後

【ダイアルの基本方針】

   ダイアル・レコードの基本的な考え方としては、後にラッセルが語っているように、「即興演奏に全てがかか っているジャズの録音を上手に進めるためには、商業的な判断や、個人の好みで選曲したり、リーダーが望まないサイドメンを 使ったりはしない。創造的な過程が滑らかに進行するような雰囲気づくりに、何よりも気を使う」ということである。優れた腕 の技術屋を使い、設備面の整ったスタジオを借りて録音することにも努めている。そして、ニューヨークでのパーカーの3回の セッションで作られたレコードについて、「プロとして仕事をして収入を得ているバンドによって録音されたもので、パーカー 自身のバンド、彼が自ら選んだメンバーが揃い、リズム・セクションは、最高位にランクされる優秀なものであった。メンバー 達の心はほぼ完全にひとつにまとまり、出来上がったものは緊密に統一されていて、しかも柔軟なものであった」。また、「パ ーカーの才能を絶対に信頼していた。だからこそ彼の音楽をレコードに封じ込めることに、多大な努力を傾けた」と語っている。

   ダイアル・レーベルの、20数回におよぶレコーディング・セッションは、優れたバッパー達の、価値の高い記 録が多いが、なんといってもこのレーベルは「チャーリー・パーカーのためのレーベルであった」といっても過言ではない。


--続く--