Dial Story

1. ダイアルの創立 2. パーカーと正式契約 3. レーベル1本に専念 4. ニューヨーク移転後
5. ダイアル基本方針 6. そのカタログ整理 7. そのジャケットなど 8. ダイアルその後

【そのジャケットなど】

  このレーベルは、ジャケットづくりでもユニークで10インチLPでは、カラー・エンボス紙(黒、紺、グレー、茶 など)の、まるで有り合わせの紙を使用したようなジャケットに、金箔あるいは紺、グリーンの型押しのロゴ・マークだけ。これ に統一し、レコード番号、タイトルは赤で印刷した文字白抜きの紙を貼り付ける、といういかにも安上がりのもの。当時のインデ ィ・レーベルの典型のようなものである。しかし、204のように素晴らしいデザインのものもある。214、218、305、306は、ルー スト・レーベルでも有名な、バート・ゴールドブラッドのイラストである。カバー裏面はライナーノートもなく、既発のLPリス トが記載されているだけである。200シリーズでは3種、300シリーズでは2種のバックがあります。ブランク・バックといわれる、 赤や紺、緑などのエンボス紙使用のバックで、これを初版とする説も存在するが、再版時に印刷用紙の在庫が無くなりやむなく 使用したものと思われる。過去にオークションでパーカーの プロトタイプ・ジャケットの10インチ盤が出たが、落札した著名なパーカー・コレクター、Yardbird Inc. のノーマン・サッ クス氏にその写真を提供していただいたので紹介いたします。300シリーズのシドニー・ベシェと12インチ900番シリーズのLP901, 904の再版とLP905のジャケット・デザインは40年代ニューヨークを中心に活動していた水彩画家ブルース・ミッチェルの作であ る。12インチ900シリーズは、5枚リリースされているが、グレー地に金箔押しのロゴ、同じ金箔押しのCOLLETORS' JAZZの文字、 金箔押しのフレームの中に文字白抜きの赤色ラベルが貼られたお馴染みのジャケットでは901〜904までで、905はこのジャケット で出された形跡は無い。905はイラスト・ジャケットのみのようである。なお901のイラスト・ジャケットは非常に珍しく、リリ ース枚数は僅かのようである。私の所有する901イラスト・ジャケットの中身は旧レーベルで、レッドワックス盤ですが、本来は ストーン・マーチンの赤・黄レーベルで黒盤のようである。12インチ900シリーズのバックは、5種とも901、902、そして903の 紹介文と、10インチ200シリーズのリストが記載されている。
  1948年からラッセルは現代音楽の録音に専念し、20枚ほどのLPを世に出すが、そのシリーズのジャケット・デザイ ンは、デビット・ストーン・マーチンのデザインを採用している。マーチンは、ジャズ用として椅子の上にトランペットをのせ たデザイン、現代音楽には同じデザインでトランペットに代わりコントラバスを乗せた2種を制作。残念ながらジャズ用は採用 されなかった。LPのセンター・レーベルのデザインは一部を除きマーチンのデザインで、赤と黄の円、現代音楽は赤と黒となっ ている。2004年夏オークションに出された19番のジョン・ケージは2枚組ダブルジャケットのようだが、このマーチンのデザイ ンは使用されていない。

--続く--